読む前の注意
このSSは時間的に志貴が遠野家に移動する前の話のIF「もし翡翠が志貴の学校にやってきたら」をちょーっと壊して書いたものです。というか「すごいよマサ…げふんげふん。
とにかく、キャスティングクロスオーバーっぽくてそれっぽくないSSをお楽しみください。
あと月姫ファンの方々へ
暴力反対(マテ
カレ〜 カレ〜 狩れ〜(吸血鬼を)
2時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴り響く。
しかし、そんなチャイムが鳴ったというのにいつまでも教室に戻らないで外でタバコを吸っている二人組みがいた。
そう、田中と鈴木である。
「あー……かったりーなー」
田中が口にタバコをくわえたまま、両腕を天にあげて背伸びをする。
「授業なんてだるいよなあ」
「ゲーセンでも行くか?」
「いいねえ、メルティブラッドでもすっか」
「そうだな」
ギャハハハと品のない笑いをしながら二人でゲームについての会話をする。
――そのときだった、どこからともなく箒ではわく音が聞こえてきたのだ。
「?」
「なんだ?」
田中と鈴木は周囲を見渡すが、どこにも人影は見当たらない。まさかと思いながら屋上の方を見上げる。
そこには、箒を持った割烹着姿の赤い髪の女の人がいた。
「こらー! 貴方たち、既に授業は始まってます! タバコなんて教室でも吸えるでしょう!」
彼女は、箒で意味もなくはわきながら田中と鈴木に向かって注意する。
「あーん…?」
「何言ってんだアイツ……バカ?」
それに続けて田中が「タバコを教室で吸えるわけないっての」と言おうとしたときだった。
「いいかげんになさいっ!!!」
「ふんぐっ!!!?」
パァン!! と強烈な音と共に田中が吹っ飛ぶ。
「!!いっいつの間に!?」
割烹着姿の赤い髪の女の人は先ほどまで屋上にいたはずなのに、いつの間にか鈴木のそばまで来ていた。
「貴方たちに……言いたいことがあります!」
仁王立ちで鈴木の前にたつ割烹着姿の赤い髪の女の人。鈴木もその威圧感の前に恐怖を覚える。
そして彼女は、鈴木に向かって
「今日のラッキーアイテムが『カレー饅頭』だなんて言ってはいけません!!」
と、言った。
(いっ言ってないー!!(ガビーン))
「私に言えることはそれだけです」
そういって赤い髪の女の人は笑顔になると、その場を去っていった。
(わっわけわからん わけわからん わけわからーん!!!
……でも、誰かに似ている……!)
「えいっ」と大ジャンプをしながら去っていく姿を見て、鈴木はそう思った。
〜教室内〜
「すー……」
俺の隣の席、つまり翡翠は眠っていた。うん、確かに寝姿はかわいい。
でも……でも……
俺には、翡翠の腕がどうして回転しているのかが気になった。
寝ながら暗黒翡翠拳!? なっなんでだー!! 気になる。気になるー!!
「見てシマタのデスね、志貴どん 秋歯お嬢さまの命令は絶対デス。お覚悟を」
妹切草ー!!?(ガビーン)
……というかこれで妹切草だって分かる人がいるんだろうか……ちょっぴり不安。
『ひ・すいちゃ〜ん』
「ん?」
外から誰かの声がする。しかも呼んでいるのは翡翠……
「翡翠ちゃん……!?」
気になったので窓の外を見る。
そこには、学校の時計にしがみついた翡翠と似たような顔の女の人の姿があった。
(何かいるー!!!)
「ひっ翡翠!! 起きろ! 起きろ! な…何か変な人が呼んでるぞー!!」
俺は錯乱状態になりながら、とりあえずその人の目的であろう翡翠を必死で起こそうとする。
「うーん……もう少し寝かせてくださいクールトーくん」
「クールトーくんじゃない!!」
なんで狼が起こしに来るんだってというか何で俺がクールトーくんが狼だって知ってんだってああもうわけ分からない!
「翡翠ちゃーん早く起きてー!!」
外にいる翡翠のそっくりさんは声を大きくして翡翠を呼ぶが、翡翠は一向に起きる様子を見せない。
「翡翠ちゃーん!!!!!」
「……すー……」
もはや教室の誰もが気づくような声で呼んだが、それでも翡翠は起きなかった。
しかし、その後翡翠のそっくりさんはなんとかこちらに聞こえるような声で、
「……まじかるアンバー」
がばっ!!
「!!?」
翡翠はそれを聞いた途端、一瞬にして目が覚めた。
……何故まじかるアンバーに!!?
翡翠はあせった顔をして周囲を見渡す。
「……学校じゃないですか……一瞬『まじかるアンバー』と聞こえたようですが…気のせいですか」
びっくりしましたといった感じでため息をつく翡翠。
「気のせいじゃないぞ翡翠…外の時計の所から呼んでいたぞ。『まじかるアンバー』って……」
「なんですって!!?」
そういって翡翠が時計を見たとき、そこにはもうあの女性の姿はなかった。
「あれ? いなくなってる……おかしいな。さっきまでいたのに……」
そういって翡翠の方を見ると、翡翠はものすごい形相で時計を見つめていた。
『さっきのは92点ってとこですかね』
どこからともなく、さっきの女性と似た声でそんな言葉が聞こえた。
カレ〜 カレ〜 林檎と蜂蜜〜
昼休み、暗黒翡翠拳部のメンバーで集まり、屋上で昼食を食べていた。
しかし、翡翠は何故かいつもよりそわそわしていて、一向に昼食をとろうとする気配がない。
「どうしたのー翡翠。そわそわしちゃってー」
事情を知らないアルクが翡翠に話しかける。
「昼食とらないんですか?」
続けて、やはり弁当すらカレーの入っているシエル先輩が言った。
「ああ……昼食ですか……食べます……食べますとも!」
そう口では言っているが、全く食べようとしない。というか、弁当箱自体が見当たらない。
……あ、もしかすると……
「翡翠、ひょっとして弁当忘れたのか?」
「弁当……ああ、教室に置いてきたのかもしれません……」
……やっぱ翡翠の様子おかしいな。どこかうわの空だ。
「どうしたんですか? 翡翠さん、何か様子が変ですよ」
「そ……そんなことありません。現にこうしてメイド服だって着て……」
ザッザッザッザッ
そのとき、別校舎からなにやら箒ではわくような音がした。
……というか箒ではわく音って、こんな大きな音するのだろうか?
「!!」
その音に俺たち以上に反応する翡翠。
翡翠は、すぐに箒ではわく音が聞こえた方、つまり別校舎の屋上に目をやる。俺たちも、それにつられてその方角を向く。
そこには、
「翡翠ちゃ〜ん!!」
そう大きな声で呼ぶ女の人の姿があった。
「な…何だあれは…?」
有彦が驚きの目でその女の人をみる。
「あの割烹着姿……間違いない! さっきの人だ!!」
翡翠はしばらく唖然としていたがやがて、
「ね……」
「姉さん!!」
「「「「何ィー!!?(ガビーン)」」」」
全員驚く。いや、確かに納得するような部分もあるけどさ……。
「ひっ翡翠の姉さん!!?」
「あっあれ!? いないぞ!」
俺たちが驚いている隙に、翡翠の姉さんは別校舎の屋上から消えていた。
そして、別の場所から
『あははー』
そんな笑い声が聞こえてきたのでそちらを向く。
そこはフェンスの上だった。
「「「「あんなトコロにー!!!」」」」
「ど、どうやって移動したんだ?」
「ま…またあれか!? あの頭に付けている紺色のリボンに仕掛けがあるのか!?」
有彦が勝手な推測をたてる。
……否定できないところが恐ろしい。
「タ・ナ・ト・ス!」
突然、翡翠の姉さんがそんな言葉を口にした。
「タ・ナ・ト・ス…?」
「姉さんがよく言っていました……『ヒーローは神出鬼没! どこから現れるかわかるようではヒーローとは言えません…それは私にも言えることです!』と…」
言葉の理解が出来ない俺たちに説明をしてくれる翡翠。
「それが何度も何度も言っているうちに次第に省略されて……」
「『タ・ナ・ト・ス』となったんです」
「ええー!!?(ガビーン)」
どっどこをどうやったんだー!!? というか性格同じじゃないかー!!
「翡翠ちゃ〜ん、今からそっちに行きますからねー!」
『琥珀☆ジャーンプ!』
そのセリフと共に翡翠の姉さんの姿が見えなくなる。
……琥珀さんっていうのか。名前。
「きっ…消えた…?」
「瞬間移動か!?」
そしてしばらくして、後ろからスタッという音がしたので振り向く。そこには、
「た……ハァハァ…ただいま……ただいま参上です!」
「「「「息上がってるー!!!」」」」
はっ走ってきたのかー!!?(ガビーン)
「ねっ姉さん! 一体何しに来たんですか! 私まだ何も悪い事はしてません!」
『まだ』って……する気だったのか?(汗
「翡翠ちゃん……」
う、なんだこのプレッシャーは。琥珀さんが出しているのか!?
「な…何ですか姉さん……」
翡翠もそのプレッシャーに怯えながら言葉を出す。
そして琥珀さんの口から出た言葉、それは
「お弁当忘れてますよ」
だった。
「……お…お弁当? お…怒りに来たのではないんですか……」
「そんな年中怒ってられませんよ。しかもこのお弁当、好きな人のために作ったんでしょ」
「え…あ…はい」
翡翠が赤い顔をしてうつむく。う、かわいい。
「でも、一応相談して。あんなにキッチンが荒れているの見たの久々だから」
「ごめんなさい……」
「翡翠ちゃん……いつもいってるでしょ?」
「タナトスーって」
「ね……姉さん……」
……つっ通じ合ってるー!!?(ガビーン)
私の姉さんは……「タナ・トスー」です……
〜ナレーション〜
姉妹の愛は美しいが、タナトス『だけ』で通じ合える姉妹もどうかと思う志貴達であった
あとがき
『ところで、その後どうなったの』と聞くの禁止(ぇ
あと、琥珀さんのセリフを決めるとき(〜なんて言ってはいけませんという部分)歌月十夜を開いて決めましたw