読む前の注意
このSSは時間的に志貴が遠野家に移動する前の話のIF「もし翡翠が志貴の学校にやってきたら」をちょーっと壊して書いたものです。というか「すごいよマサ…げふんげふん。
とにかく、キャスティングクロスオーバーっぽくてそれっぽくないSSをお楽しみください。
あと月姫ファンの方々へ
暴力反対(マテ
「マネージャーを探しましょう」
翡翠が俺にそう言ってきた。それは昼休みの前の出来事だった。
「はあ? マネージャー?」
「ええ、やはり部たるものマネージャーの一人は二人必要かと」
マネージャーっていっても……いまだに本格的な部活動はしていないぞ(汗
「第一翡翠、お前マネージャーってのがどんなのか分かっているのか?」
そんな風にいうと翡翠は少しむっとして、
「馬鹿にしないでください。志貴さま」
「ははっ まあそれぐらいは当たり前だもんな」
確かに翡翠といえどもそのくらいは知っているだろう。
「技の実験台ですよね」
「違うー!!!(ガビーン)」
しかも翡翠はマジで言っている。
「え、違ったのですか?」
「当たり前だ。いいか翡翠、マネージャーというのはだなあ……」
「先輩、お疲れさまです」
そういってマネージャーはタオルを差し出す。
「ああ、どうもありがとう」
それを俺は笑顔で返しつつ受け取る。と同時に、紙切れが一枚落ちた。
それを拾って見てみる。
『あなたにぞっこんラブ』
俺はマネージャーを抱きしめた。
「とまあこんな感じだよな、遠野」
「いつの間に!?」
俺はいつの間にか会話に参加している有彦に驚愕した。それ以上にぞっこんラブだなんて死語を使っていることに驚いた。
「なるほど、ぞっこんラブというのがマネージャーなんですね」
「違う!!」
しかも翡翠も違うところで納得しているし……。
「では、マネージャー探しに参りましょう」
「はあ……大丈夫かよ」
不安な気持ちを胸に秘めつつ、俺たちはマネージャー探しに向かった。
「ここなのね……兄さんが通っている学校は……」
志貴が通う学校の裏庭で一人の転校生が感慨にふけっていた。
高貴な風格を周囲に漂わせ、その長い髪の毛はまるで宝石のように黒く光り輝いている。
「いろいろありましたからね……」
彼女は思い出していた。彼女の父親のことを……
「バカモン! 違うだろ!」
少女は怒られていてばかりであった。
どなられるだけならまだマシな方で、殴られたりすることもしばしばである。
「そこはそう! まだこんなことも分からんのか!」
父親に怒られていくたび、少女は胸のうちに感情を潜めていく。彼女の支えは彼女の兄の存在……。
そうでもしなければやっていられなかった。なぜならば……
「お前はまだリボン作りが分かっていない!」
これが怒られる最大の原因だったからである。
「変な父親でしたからね……」
その言葉には怒りも混じっているように思える。彼女は胸の辺りのリボンを付け直す。
そうして付けなおされたリボンは、見事なまでに美しく結びなおされていた
「なあ……」
「どうしましたか、お父様」
少女は寝込んでいる父親のそばにいた。少女は既に高1となっていた。
「私はもうだめだ……」
「ええ……分かっています」
余命あとわずか、それは既に知らされていた事実であった。父親は構わず話を続ける。
「しかも私は間違ったリボンのつけ方をしてしまったらしい……」
「ええ……見れば分かります」
父親の服の全身にリボンがついている。しかも色はさまざまで、一目見て「趣味悪い」と言える格好であった。
「そうか……お前にはリボン師の才能がある……グフッゲフッゲフ!!」
父親が咳き込む。どうやら末期らしい。
「お父様……」
父親は残った力を振り絞り、紙に必死で文字を書く。既に話す力はないようだ。
『心配するな……秋葉』
『伝説の黒いリボンは……』
『レソ……』
ガクッ
「!!おっお父様! お父様!」
秋葉は必死で父親を起こそうと努力する。しかし、父親はやり遂げたと言わんばかりに笑顔で永遠の眠りについた。
「そっそんな……」
―レソって一体何なんですかー!!?―
秋葉は最後に意味不明な言葉を残していった父親をよりいっそう恨んだ――。
「こんな父親ですもの……死んで当然です」
仏さまに死んで当然という罰当たりなことを言う。
しかし、彼女はそうぶつくさいいつつ……
手には3つのリボンがのっかっていた。
「!!」
思わず立ち上がる秋葉。どうやら、このリボンのくせは芯まで染み付いているらしい。
「なっ何をやっているんですか私は!」
正気に返ったとたん、自分のやっていたことに対して思いっきり非難をする秋葉。
「だっ第一リボンなんて幼稚です!」
さらに暴言すら吐く。
「……こんなことしている場合じゃありませんでした。兄さんを探さないと」
思いっきり非難した後、自分を完全に取り戻した秋葉は兄を探し始めた。
そしてあっさりと見つかった。彼の兄は自分のクラスの教室にいたのである。
何故か自分が知っている人物も含めて……。
『あっあれは兄さん……しかも翡翠と一緒に何をしているのかしら……?』
秋葉は教室の外からこっそり様子を見る。ハタから見ればあやしくみえなくもない。
俺たちは一年の教室に来ていた。有彦の「マネージャーなら後輩だろ!」という強引な説得によりである。一年の人たちにジロジロ見られているなか俺たちは二人の女子をターゲットにする。
「おっ俺恥ずかしいから戻りたいんだが……」
「何を言っているのですか志貴さま。まずは私から勧誘します。見ておいてください」
結局戻ることは許されず、遠巻きに翡翠の様子を見る。
「ふんふ〜ふふ〜ん♪」
あやしいメロディを流しながらさり気なく近づくフリをする翡翠。かえってさり気なくなっているのは言ってはいけないことだ。
「ラララ〜私はマネージャー貴方もマネージャー♪」
思いっきり警戒している女子二人組みを無視して翡翠は何か歌いだす。
「ラララ〜そして〜」
「貴方はメイド〜」
「ナニィー!!?(ガビーン)」
まっマネージャーじゃないのか!?
それを見たその女子は走って逃げ出した。自分の教室だというのに。
……よっぽど錯乱したんだな。かわいそうに……
「駄目でしたね……」
「何が原因なんだろうな……」
翡翠と有彦が二人で考え込む。
「いっいや、原因とか何やらより根本から間違っているような……」
「……仕方ありません、とりあえず作戦会議のため一旦教室に戻りましょう」
そして俺たちが一年の教室から出ようとしたとき、
「あっ」
「あっ」
俺は自分の妹である秋葉と遭遇したのだった。
「秋葉さま……どうしてこちらの学校に……」
翡翠がたずねている。確かに、秋葉の服は他の人の制服と違っている。
「にっ兄さんに会い……じゃなくて貴方が最近よく外出しているから気になって尾行してきたのよ!」
うそだ。俺は咄嗟に悟った。
何故なら秋葉は思い切り今になって翡翠に気づいたみたいな顔をしているからだ。
だけどあえてそのことを言わないでおく。何か身の危険を感じるから……。
「私は今学校で世の中の常識などを学んでいるのです。もちろん姉さんからも許可を取ってあります」
「でっでも主人である私になんのことわりもなく……」
そこまで秋葉がいったあと翡翠はふうとため息をついて……。
「部屋の鏡の裏、ベッドの下。机の引き出しにあるものを志貴さまに見せてよろしいでしょうか?」
「がっ学校については大目に見ましょう!」
なっ何だ。部屋の鏡の裏、ベッドの下。机の引き出しには何があるんだー!?
「そ…それで貴方は兄さんを連れて回って何をしているの! しかも『さま』づけだなんて……」
「志貴さまは暗黒翡翠拳部の部員です。そして『志貴さま』は愛称です」
あっさり返されてしまう秋葉。
「ちょっちょっとまって! それは連れて回って何をしているのという質問には答えていないわ!」
まるで『逆転裁判』みたいな意義ありをする秋葉。ちなみにやっていない人は是非やってみよう。おもしろいから(宣伝)。
「それはマネージャーを探しているのです」
「マッマネージャー?」
一瞬あっけにとられた後、何やら今度は考え込んでいる。
〜秋葉の頭の中〜
マネージャー? それはあの
「先輩、お疲れさまです」
そういってマネージャーはタオルを差し出す。
「ああ、どうもありがとう」
それを俺は笑顔で返しつつ受け取る。と同時に、紙切れが一枚落ちた。
それを拾って見てみる。
『あなたにぞっこんラブ』
俺はマネージャーを抱きしめた。
というやつかしら? 確か瀬尾の本の何かにそうあったような……。
ちょっちょっと、ということはそれを私と兄さんで……。
そうよ! これはチャンス! 兄さんとの親密度を上げる絶好の機会!
「そっそのマネージャー私がやってもよろしくてよ」
秋葉は多少フンといった感じでそう口にした。
「秋葉さまが? ……本当によろしいんですか?」
「ええ、兄さんの監視をするためにも一番いいと思いますからね」
どうやら本当にやってくれるらしい。秋葉がこういうキャラになっているのにも驚いたが、マネージャーをやってくれるということにまたさらに驚く俺。
「秋葉……本当にいいのか?」
「ええ、ところで……」
マネージャーとはどういうことをすればよいのでしょうか?
リボン作り?
〜「やはり秋葉も変なのか……というかリボン作りってなんだよ」そう苦悩する志貴であった〜