読む前の注意
このSSは時間的に志貴が遠野家に移動する前の話のIF「もし翡翠が志貴の学校にやってきたら」をちょーっと壊して書いたものです。というか「すごいよマサ…げふんげふん。
とにかく、キャスティングクロスオーバーっぽくてそれっぽくないSSをお楽しみください。
あと、翡翠ファンと有彦ファン、アルクファンの人へ











暴力反対(マテ




















俺たちは職員室に行くための廊下を歩いていた。
先生に直談判し、空手部の廃部を取りやめてもらうためだ。

「ほっほんとに行くのか? 翡翠」
「無理だよ翡翠さん…本当にもういいんだ。もう…あきらめよう…」
「あきらめる…ですか?」

有彦の言葉に翡翠がピクリと反応する。

「空手部を廃部になんてこの私がさせません! それに今日の交渉が失敗したとしましても…あと一週間以内に4人部員を集めればすむ事です」

一週間以内に部員を4人以上集める――
それが空手部存続の条件だった。

「で…でもお前…」
「心配は要りません」

そう言っている間に職員室についた。そして翡翠は中に入る前に、

「きっと…うまくいきます。『万事休す』です」

ちっ違うよ翡翠! その言葉の使い方間違ってるよ!


〜有彦の心の中〜
翡翠さん…貴方って人はなんて素敵な女性なんだ…
でも…『万事休す』は違うよな…










「『まんじ休す』だよな…」
「違うー!!(ガビーン)」

読み方の問題じゃねー!!

「だっ大丈夫かな…(お前の頭の中)」
「遠野…ここは翡翠さんを信じようじゃないか!」

有彦に俺の心の中の思いは全く通じていなかった。











しばらくして、ガラッと言う扉を開ける音と共に翡翠が帰ってきた。
しかも翡翠は満面の笑み(表情にうまく出せていないが)、これはうまくいったのか?

「ひ…翡翠…」
「ひょっとして…」

期待が高まる。すると翡翠は…

「4人集めましょう…明日までに!!!!」








「何ーッ!?(ガビーン)」
「あ…明日までー!!?(ガビーン)」

ちっちょっと待て、何かおかしいぞそれは!

「へ…減っているじゃないかーっ!!」
「なんで前より悪くなってんだー!!!」
「……」

あっあれ? 翡翠うなだれている…言い過ぎたか?

「仕方なかったのです…申し訳ございません…」
「え…?」
「翡翠さん…」

翡翠の今まで見たこともない態度に怒りの熱もおさまる。

「私が能無しなメイドなばかりに…」
「え…? い…いや…そんな…」
「教頭にこの誓約書を書かせるので精一杯でした…」

そういって翡翠は有彦に手紙を渡した。

「すいません翡翠さん…よくやってくれました…」

俺も有彦に渡された誓約書を一緒に見てみる。













―――――――――――――――
|(暗黒翡翠拳    )部 |
|     設立誓約書   |
|             |
| 明日までに4人の部員  |
| を集めれば       |
| 「空手部」改め     |
| 「暗黒翡翠拳部」    |
| を設立する事を認める  |
|             |
|       教●    |
|        頭    |
―――――――――――――――









「「ナニー!!?」」

俺たちはその誓約書に書かれていることに驚愕した。

「ちょ…ちょっと待て! 翡翠…」
「いつまでもクヨクヨしていては始まりません!! さっそく勧誘です!」

翡翠はすでにやる気だ。俺の言う事など聞いちゃいない。

「ま…待てー! 暗黒翡翠拳部って何だーっ!!? 『空手部改め』ってどういう事だーっ!?」

有彦が俺が言おうと思ってた事を全部言う。すると翡翠は、

「有彦さん…貴方それでも男ですか…?」











「『男なら…やってやれ!』です!!」
「おっ男ならやってやれ…!!?」


ガーン


あ、有彦のやつショック受けてやがる。


〜有彦の心の中〜
な…なんて素敵な言葉だ…「男ならやってやれ」
何をやるのかよく分からん所がまた男らしいぜ…
目が覚めたよ翡翠さん…
あんた…あんたホンマにスッキリや!


「翡翠さん…あたいもう弱音吐いたりなんかしないよっ! さっそく部員を集めよう!」

どうやら有彦はさっきの説得で納得してしまったらしい…。
先ほどの誓約書で感動して流した涙を拭いているし関西弁になってるし…。
…さっきのどこに感動する部分があったんだ!

「さあ、行きましょう! 期限は明日まで。残り部員数―――あと1人です!」










「…ん?」

おっ俺、入れられてるーっ!!?(ガビーン)





〜お昼休み・屋上〜
『あー腹減った〜』
『おっお前の弁当うまそうじゃないか』
『ナニをいう、お前の方こそ…』


「ターゲット発見です」

翡翠が言う。そこには極めて普通のタイプの男子が二人いた。


『お前またビンのリポビタンD買ってきたのかよ。カップのもあるっていうのに…』
『カップなど邪道! 炭酸はビンに入ってこそ炭酸なのだ!!』

…ちょっと訂正、妙なこだわりを持つ男子と普通の男子がいた。

「こんにちは」

翡翠が男二人組に挨拶する。
すると男たちは何やら相談し始めた。どうやら俺たちのことを知っているようだ。

(翡翠さん…さり気なくきり出してくださいよ…)
(分かってます…)

有彦に一応忠告を受けている。翡翠は勝手にさせたら何しでかすか分からないからな。
そして翡翠は男二人組に話を持ち出した。

「ふぅ…それにしてもいい天気ですね…小鳥もさえずっていますし…」
「う…うん…」
「そうですね…」

やはり男二人組、話に乗る気など全くないようだ。
第一、小鳥なんてさえずってないし…(汗

(お…おい、逃げようぜ)
(ああ、隙を見てな…)








「つまづきましたー!!!」
「!!」

なっ何ぃー!?何してるんだ翡翠はー!!?

「さすがは翡翠さん!予測のつかん大胆な作戦だ…!!」
「何だってー!!?(ガビーン)」

あっあれのどこが作戦なんだ…。

「つ…ああ…」








「暗黒翡翠拳部に入れ貴方たち」

何ぃー!!(ガビーン)
しかも命令形だし…(汗

「そっそんな言い方ありますか翡翠さん!!」

有彦が翡翠を引っ張る。

「な…何だよ一体…」
「用が済んだんなら僕らこれで…」

男子二人組はすぐにでもここから立ち去ろうと言わんばかりのオーラを発しつつ、それを面には出さないで丁寧に断ろうとする。

「ま…待てお前ら! お前らは強くなりたくはないのかー!?」
「な…なんすか?」

そんな二人組を必死に引き止める有彦。まあ、部の存続がかかっているからな。

「空手…いや!暗黒翡翠拳部がどれだけ強いか…見てみたくないか?」
「あ…暗黒翡翠拳?」
「べ…別に…なァ?」
「フフフ…そう言っていられるのも今のうちだけだ…翡翠さん!」
「分かっています…」

すると翡翠は立ち位置を変え、暗黒翡翠拳の準備をする。

「暗黒翡翠拳はただの殴り合いとは違います…むしろ攻撃などオマケに過ぎません」

翡翠が構えはじめる。構えだけはそれなりにまともなんだけどなあ…

「隙のない相手を倒すのは至難の業です…しかし、逆に人は隙をつかれると恐ろしく脆いものです…」

皆が集中して翡翠を見る。

「ですから隙を待つのではなく作ればいい…それが…暗黒翡翠拳なのです!」
「すっ隙を作る…?」

どうやら男二人組も興味を持ったらしい。
…さあ、今日は一体何をやるんだ!

「…行きます!」

すると翡翠はイキナリダッシュを始め、男が持っていたリポビタンDを奪う。

「ああ! お…俺のリポビタンDを!」

それを翡翠は振りはじめた!

「ああー! たっ炭酸なのにー!!?」
「黙って見ていてください」

すると翡翠はそれを頭に載せ、こう言った。

「…チョンマゲ」






























さっ寒いよ母さん…(現実逃避中)
なんとか誰よりも早く意識を取り戻した俺は、周囲を見る。
やはり俺と同じように皆固まっていた。しかし、翡翠は続けて

「…チョンマゲビーム発射」















ブシャー!(中身が飛び出る音)
















にっ二段構成っ!!?(ガビーン)

「み…みっともねーっ!!」
「高校生にもなってーっ!!」

男二人組が口々に言葉を発す。

「今です!」




「パンチ・デリカット!!」




「!!」

翡翠は当たらないように男の頬をかすめるようにパンチを放つ。
男の頬からは切り傷のような痕ができていた。

「一緒に…暗黒翡翠拳をやりましょう!」

そして翡翠は真顔(本人は笑顔のつもり)で勧誘をする。しかし、当然のごとく

「や…やるかアホーッ!!!」
「この変態ヤローッ!! ズッ○ケ三人組ー!!」

そう言い残して彼らは逃げていった。
というかズッコ○三人組って…(汗

「……」

あ、翡翠が考え込んでる。自分でもさっきのは失敗だったと自覚しているようだ。











「やはり…背中につけて『ロケット』と言った方がよかったのでしょうか…」
「それだ!!」
「違うー!!!」

全然的はずれだー!!
…はあ、こんなんで部員が集まるわけないよ…。



〜ナレーション〜
しかし、それを見ている女性が一人いた…。



『…なっなんて面白そうなの! 今まで何千年て生きていたけど、あんな面白そうなのは初めて! それにあの眼鏡かけているのに何故か心ひかれる…よし!』

「すみませーん」

その声に俺たちは振り向いた。
そこには、金髪の綺麗な女の人がいた。制服じゃないからこの学校の生徒じゃないみたいだけど…
…あれ? ここ屋上だよな…?

「さっきの、私にも教えてくれない?」

何ぃー! さっきので興味持つ人がいたのかー!?

「貴方は…?」

俺はこの物好きに思い切って尋ねてみた。

「アルクェイド、巷では吸血鬼って呼ばれている種族なの」








「何だってー!!?(ガビーン)」

ちょっと待て、自分で吸血鬼なんて言う奴いたのか!?

「吸血鬼なんですか。私は翡翠という人間です。よろしくお願いします」
「よろしくー」
「簡単に打ち解けてるー!!?(ガビガビーン)」

ちょっちょい待て、冗談なのかもしれないけど…いや、冗談じゃないか。
最近変なことが起こりすぎてるし、きっとこれも本当なんだろう。ははは…はぁ


〜ナレーション〜
自分の境遇というのを悟り、改めて深いショックを受ける志貴であった。


「よろしくね〜あなたの名前は?」

そういって俺の方を向きなおす。彼女は美人な為(なのと変なのとで)緊張してしまう。

「あ…俺「俺の名前は有彦って言います」
「別にあなたには聞いてない」






あ…有彦の奴落ち込んでやがる…。

「俺の名前は遠野志貴。よろしく」
「ふーん、志貴って言うんだ。よろしくね」

そういって握手をする。何だ、結構簡単に打ち解けられそうだ。

「よろしくお願いしまっす!」

突然、また有彦が乱入してきた。

「うるさい」





ザシュッ!!(効果音)






「あっ有彦ー!!」

顔を爪で引っかかれた有彦。傷を見るに人間の爪とかでは不可能な傷だった。
血がブシャーと飛び出て、後ろに倒れる。俺はそれを素早く受け止めた。

「おっおっ…」
「なっなんだ有彦!」








「オバケキノコ…(ガクッ)」





「大丈夫だな」

俺はそう判断すると有彦を見捨てた。魂が出ていることなんか気にしないで。










「よし、これで部員一人確保しましたね」
「だっダメだって! アルクはこの学校の生徒じゃないんだから!」

正論を述べる俺。アルクというのは先ほど決められた愛称だ。
ちなみにもう少しで『ブリ』になるところだったのはここだけの話。

「えーだったら活動できないのー?」

アルクが文句を言う。うーん、といってもなあ…

「大丈夫です。この制約には『この学校の生徒』なんてルールは書かれていません」
「いっいや、そうはいっても…」
「もしものときには洗脳もありますし…」







ちょっちょっと待てい!

「せっ洗脳はやめておけ! …んまあ別にもう一人部員を探せばいい話だし」
「…そうですね。明日の朝登校してくる生徒を狙いますか…洗脳で」
「だから洗脳はだめだってー!!(ガビーン)」

わっ分かってないよ全然。

「まあとりあえず私は参加しても言いわけね?」
「うん。まあ一応いいと思うよ」
「やったー!」

アルクが満面の笑みを見せる。う、なかなかいいぞこの笑顔は。

「じゃあよろしくね。志貴、翡翠」
「ああ、よろしく」
「よろしくお願いします」

こうして、暗黒翡翠拳部に新たにアルクが加わったのであった。
…あれ? 何か忘れているような…







〜ナレーション〜
このとき、有彦の魂は本体から3mほど離れていたという…







あとがき
うい、今回登場したアルクですが……動くかどうか正直不安です。
いや、確かにシエルの方は間違いなく動くと断言できるのですがw