読む前の注意
このSSは時間的に志貴が遠野家に移動する前の話のIF「もし翡翠が志貴の学校にやってきたら」をちょーっと壊して書いたものです。というか「すごいよマサ…げふんげふん。
とにかく、キャスティングクロスオーバーっぽくてそれっぽくないSSをお楽しみください。
あと、翡翠、有彦、アル…あ〜めんどくさい、とにかく月姫ファンの方々へ
暴力反対(マテ
「そういえばさ、翡翠」
朝、部活動勧誘のため誰よりも早く登校してきた俺たち。
ちなみにプレゼントは翡翠が探してきたらしい…でもこんなのもらうのいるんだろうかってやつ。
まあそれよりも気になることがあったんで俺は尋ねてみる事にした。
「何でしょう?」
「どうして簡単にアルクを部員に入れたんだ?」
あそこまで簡単すぎると逆に気になる。
俺も認めたものの、初めての人に対してあれだけの態度をとれるなんてまず普通じゃ考えられない。
すると、翡翠は
「ああ、そのことですか。だってあの方はレソ……」
「ああ!ゲフッ!!ゲフフン!!あ…だっ…だってその人はいい人そうじゃないですか!」
「そっそうなの…」
い…今また「レソ」って言った…絶対言った! 「レソ」って何だーっ!!?
「おい、ぼちぼち登校する人が増えてくるぞ」
有彦の声に俺たちは勧誘の準備を始める。翡翠は背中に『暗黒翡翠拳』と書かれた旗を持つ。
結局さっきのことは何だったのかは分からないが、とりあえず今は目の前の仕事を片付けるだけだ。
…ん?
いつの間にか俺、あんま違和感感じなくなってるような…(汗
!! ダメだダメだ! 考えすぎちゃ!
「行きますよ!」
翡翠の声により、勧誘大戦〜月は萌えているか?〜(有彦案)が開始された。
「よお、田中」
「おお、鈴木じゃないか」
このSSでは見慣れない名前の二人組。
「…どうした。まだ怒ってるのか?」
「…ああ、前怒りすぎてて誰殴ったか覚えてないが、あの時のすっきり感ももうどっか行っちまった。やっぱりあの翡翠って女を殴らないと気がすまねえ」
そう、彼らこそ1話、2話でさり気に出演している元空手部二人組なのだ。
「あいつのせいでどんなに恥ずかしい思いをしたか…」
「確かにあの日以来、学校来るたびに皆俺たち見て笑うからな…」
「くそっまた一段と腹立ってきた」
「落ち着け。もうあきらめようぜ。勝つ要素がどこにもねえんだから」
鈴木は既にもうあきらめていた。しかし、
「いや、俺は絶対あきらめねえ。いつかギャフンと言わせてやる…」
『入りませんか〜?』
『誰か…入ってくれませんか?』
「…!!」
その声に反応する田中と鈴木。
そう、それらの声の主は…
「あっあの赤い髪の女…!?」
「一緒にいるやつは、前お前が思いっきり殴ったやつじゃないか?」
「な…なにやってんだこんなところで」
『暗黒翡翠拳部で〜す!どうぞ〜!!』
『カレールーを差し上げます』
「かっカレールー!?(ガビーン)」
「あっあほだ…」
『そこの貴方、入部しませんか?今ならもれなくカレールーをプレゼントです』
『いっいりません…』
「当然のように断られているな…」
「ああ…そうだ!!」
「どっどうしたんだ一体…?」
「奴等は部を作ろうとしているんだよな…」
「そうみたいだな。やけに熱心だし…」
「くくく…今に見てろよ…」
「ふう…疲れた」
俺はため息をつく。
「やっぱりダメだったか…」
「そりゃあカレールーじゃな…」
もうちょっとマシなプレゼントはなかったのだろうか。月姫とか月姫とか歌月十夜とか(宣伝)
「でも…今日中に一人入部させないと廃部になっちゃうんだよね…」
アルクが残念そうに言う。嬉しそうに入部してたから、活動前につぶれるのはすごく嫌なのだろう。
俺もどうにかしたいとは思うんだけどな…。
「まあ朝の作戦はこのくらいにしましょう」
翡翠がたんたんと言う。廃部がかかっているのに結構落ち着いてるな。
不覚にもちょっとだけ見直してしまった。
「ところで…このカレールーどうするんだ?」
「というかどっから持ってきたんだ?」
こんなにたくさんのカレールー…買ってきたとしたらどうするんだろう。
「ああ…そのカレールーはあちらのカレー王国のです。余った分はそこに戻しておきましょう」
「「「かっカレー王国…?」」」
俺と翡翠以外の二人の声が見事にハモった。
ドサッ
私は思わず持ってきたクマデとジョウロを落としてしまいました。
それも仕方ありません。何故なら…
「な…何という事ですか…私のカレールーが…」
わざわざ自分用の畑に植えていたのに…ちゃんと看板もつけましたし…
その看板
―――――――――――――
|カレー王国(シエル用)|
―――――――――――――
「昨日あんなにたくさん植えていたのに一つ残らず消えている…!まっまさか!」
もしかしたら私はとんでもない発見をしてしまったのかもしれません!
それは―――
カレールーは陸地に植えると消滅する…!
これは早速機関に報告しなければ――!!
どさっどさどさっ!
『くさい!!』
『これくさいよ〜志貴』
『カレールーだしね…』
『しかしこの臭さはどっかに報告しなければならないほどのものだな』
突然4人ほどやってきて、私が植えておいたカレールーを置いていきます。
ぬう、あ…あの人たち…
まさかあの人たちも機関の…!?
そのとき、私の目にとある文字が目に入りました。
『おいでませ暗黒翡翠拳部』
あっ暗黒翡翠拳ー!!?
私の体に雷が落ちたかのような衝撃を受けます。
そしてあと2つ、
『いっいや…別に報告するほどの物じゃないと思うけど…』
あれは私がこの学校に潜入したとき、一目見て思わず、
もう理想ばっちり、あのいかにも流行に反して生きてそうなところとか、メガネをかけているところとか、我が強そうで押しに弱そうなところとか、けど怒ると手が付けられそうに無いところとか、そこはかとなく色気のある細い腰とか、サラサラした黒髪とか、ふわふわの子犬みたいなところとか、もう全部ツボ、クリティカル、ストライク、ファイナルアンサーっ……!(以下、原文拝借)
と感じてしまった少年!!
『志貴が言うんだったらその通りなんだろうね』
しかもあれは私の宿敵アルクェイド――!!
『ふう…今日中にあと一人か…』
『いえ…夢の暗黒翡翠拳部まであと一人です。必ず見つけて教頭を驚かせてみせます!』
彼らの話を聞く限り…どうやら部員が一人足りないようですね…
暗黒翡翠拳…他人の口から聞いたのは何年ぶりでしょうか…
私の青春は…終わってはいなかったのですね…!
《屋上》
カレ〜 カレ〜 ソースは邪道〜(チャイム)
昼休みのチャイムが鳴っている。しかし…このチャイム毎回変わっているよな。
しかも私事入ってるし……。
「う〜もう昼です。翡翠さん」
有彦が翡翠に告げる。確かに残り時間もあとわずか。有彦もあせっているのだろう。
「安心してください。有彦さん。昼休み用『お昼のドキドキ大作戦』を用意してきたのです!」
おっお昼のドキドキ大作戦!?
「な…何だそれは!?」
「垂れ幕です…屋上から下げれば部のアピール度満点ですからね!!」
そういって翡翠は手に持っていた垂れ幕を屋上から下げた。
それは…
―――
|暗|
|黒|
|翡|
|翠|
|拳|
|部|
―――
「パーフェクトです!!」(翡翠)
「ブラボー!!」(有彦)
「すごーい!!」(アルクェイド)
「何ぃ〜!!?」(俺)
たっただ暗黒翡翠拳部って書かれているだけじゃないかー!!
「ひっ翡翠!『暗黒翡翠拳部』ってだけ書かれても誰も意味分からないと思うぞ!」
「ん?」
すると翡翠は笑みを浮かべて、
「甘いです志貴様…この字をよーく見てください……」
翡翠に言われた通り、字を良く見てみる。
暗黒翡翠拳部という字は全て「タイプムーン」という字で書かれていた。
「パーフェクトッ!!」
「読めるかーそして意味が分からーん!!!」
有彦……俺はお前にはもう少し常識があると思っていたんだが……(涙。
『いや〜盛り上がってるねえ…』
突然誰かの声がしたので俺たちはその声のした方を振り向く。そこには、元空手部員1号がいた。
「久しぶりだねえ赤い髪の女の人。確か…翡翠さんだったかな?」
「何か……用ですか?」
一気に警戒態勢に入る。第一、昨日会ったばかりだし。
すると、1号はおびえているように、
「う…まあそう怖い顔しないでよ……俺、翡翠さんにやられてから反省したんだ。それで…今日はその…話が……」
そういって一息ついたあと、
「あの…おっ俺も暗黒翡翠拳部に入部したいんだ!!」
「ダメです」
うわっなんてあっさりと。
「さて、食事にしましょうか」
「そうだね」
俺も今回は翡翠の意見に同意なので話にのることにする。
〜元空手部員1号(田中)の心の中〜
な…何て憎たらしさだ! こ…ここまで冷たくされるとは…
だがこの日のために俺は貴様を調べつくしたんだぜ! そう…
貴様の弱点を!!
「わ…わかったよ…仕方ないよね……」
その言葉に俺たちは反応し、後ろを振り返る。
「入部はあきらめる……でもさ…僕がマジメになったっていう事だけは信じてほしいんだ……だから…これだけ受け取ってくれないか?」
そういって翡翠に何かを渡す。俺もなんか気になるのでなんなのかのぞいてみる。それは……
リボンだった。
「何ぃー!?」
なっ何故にリボン! そっそりゃ女の子にあげるのにはあっていそうだけど相手は翡翠だぞ……
「貴方も…反省したのですね!!!」
「喜んでるー!!(ガビーン)」
まっまさか翡翠がリボンが好きだなんて……
「何ぃー! なっ何言ってんだよ翡翠さん! おもっきし物につられて!!」
「何をもらったのー? ねぇ教えて」
すると翡翠はもらったリボンをメイド服のポケットに隠しつつ、
「失礼なことを言わないでください…何も物につられたわけではありません。ですが、強いてつられたと言うのであれば……」
「彼の心意気に!!!」
〜有彦の心の中〜
こ…心意気…!!!
「ならよし!!!」
「ええーっ!!?(ガビーン)」
いっいいのかそれで!!?
〜元空手部員一号(田中)の心の中〜
フフフ…ハマッタな翡翠……俺の「ぬかよろこび大作戦」に!!
〜翡翠の心の中〜
……欲しかったんですよこれ…
「これで部員が4人そろいました! 放課後教頭は学校に帰ってくるそうですからそのとき報告しましょう!」
「やったぜ翡翠さん!!」
おー!と皆で歓声を上げる。だが俺はどうしても上げる気になれなかった。
…何か裏がある気がする……。
『……ちょっと、調べてみましょうか』
どこからか小さな声でそんな言葉が聞こえたが、周りを見渡しても俺たち以外誰もいなかった。
『ふ…ふふ…』
田中は誰にも見つからないような場所に一人立って笑っていた。
『いよいよ…いよいよ翡翠の最後だ。ククク…ああもあっさりハマッテくれるとはなぁ』
田中は嬉しそうだった。
『あとは俺が教頭の目の前で派手に暴れてやるだけだ…当然部の話はなし……。そしてやつがショックを受けたところにさらに追い討ちをかけてたたきのめしてやる!!』
さらに誰もいないので思わず自分の計画を口に出してしまう。
……私が聞いているとも知らずに。
『フフフ…まったく楽しいぜ!』
そういうことだったのですね……それなら私がやる事は一つだけです。
『さて、行くか……』
《放課後》
俺たちは職員室の教頭の机の前に集まっていた。何故かリボンを胸につけている翡翠に対してのつっこみはおいとくことにする。
教頭は俺たちの人数を目で数える。そして……
「ふむ、確かに4人揃っているな…ところで、そちらの女性の方は?」
「アルクェイド=ブリュンスタッドと言います。この部の顧問です」
そういって目を赤くして誘惑をする。これで疑問も一気に解決だ。さすがわ吸血鬼。
「よく集めたな…いいだろう! 暗黒翡翠拳部の設立を認める! いつからでも活動を始めたまえ!」
俺たちは垂れ幕を回収するため屋上に来ていた。
「やりました!」
「ブラボーっ!!!」
「やったね、志貴!!」
ついでに、職員室では大きな声を出せなかったのでここで歓声を上げる。
……なんか、俺も嬉しいな。
「まったく…まさか本当に作れるとは思わなかったぜ!」
「本当にな」
有彦の意見に同意する。そりゃこんな部作れるなんて誰も思わないだろう。
「1号さんにもらったリボンが聞いたのかもしれませんね。それにしても貴方には本当にお世話になりました。本当にありがとうございます」
『い…いやぁ…私のほうこそ』
…ん? 『私』? 声も違う……。
俺は1号の顔を確認してみた。
そこには、1号のかぶりものをかぶった誰かの姿があった。
「「「だっ誰だお前はー!!?」」」
俺と翡翠、有彦の声がハモる。
…ん? アルクはなんかにらみつけているぞ。
「ふ…フフフ、とうとうばれてしまいましたか」
そういって誰かはかぶりものを脱ぎ始める。
「私の変装を見破るとは……貴方たち、なかなかやりますね?」
いや、バレバレだったし(汗
そして、かぶりものを脱いだ先には――
「ああっ!!」
「ゲェッ!!」
「うっあっ貴方は…」
誰かは、もう一つかぶりものをつけていた。
「「「誰だー!!!?」」」
続く
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