読む前の注意
このSSは時間的に志貴が遠野家に移動する前の話のIF「もし翡翠が志貴の学校にやってきたら」をちょーっと壊して書いたものです。というか「すごいよマサ…げふんげふん。
とにかく、キャスティングクロスオーバーっぽくてそれっぽくないSSをお楽しみください。
あと月姫ファンの方々へ











暴力反対(マテ




















「買い物に行きませんか?」

 それは俺が家に帰る用意をしていた時のことだった。
 突然、翡翠がそんなことを言い出してきたのだ。

「買い物……って?」
「ユニフォームをです」

 ユニフォーム……ああ、暗黒翡翠拳部のね。

「いいよ。どうせ何も用なんてないからね」
「そうですか。なら早速参りましょう……邪魔が入る前に」

 じっ邪魔が入る前って……(汗

「そんなユニフォーム買うぐらいで邪魔なんて入らないと思うけど……」
「いいえ、そんなことはありません。さあ、さあ!」

 何故か翡翠にグイッグイッ(クイックイッではない)と引っ張られたので、仕方なく帰る用意をすぐに終わらせた。と、その時、

「よお、遠野。どこ行くんだ。そんなに急いで」

 突然有彦が声をかけてきたのだ。

「ああ、有彦か。今から翡翠とユニフォームを買いに行くんだ」
「ふーん。どうせ俺もやることないし、一緒に行ってもいいか?」
「ああ、勿論」

 こういうのは部員でちゃんと話し合って決めた方がいいからな。

「……さっそく邪魔が入りましたか」

 チッと言う音と共に翡翠がそんな事を言っていたが、俺は聞いてないふりをした。








「で、結局皆で行く事になったんだよな」

 いつの間にか買い物にはアルクとシエル先輩も加わっていた。
 どちらもたまたま偶然的に会った……本当に偶然かは知らんがな。

「まあいっか。ユニフォームの事だし」
「それはいいんだが遠野……」

 複雑そうな顔をして有彦が俺を見る。

「何だ?」
「……あれはどうにかならんのか」
「……言うな」

 有彦がさした物、それは……






「魔法の源 恋の力〜 
手に持つバトンは 鈍器の役割 
赤く染まった〜 手袋を〜 はめている少女
 彼女の名は〜 マジカルさっちん マジ狩るじゃないの 

 『そんなこと言う人はマジカルクローで八つ裂きだよ♪』

 ああ〜マジカルさっちん 今日で死人は(以下略)〜♪」

 こんな歌を真顔で歌っている翡翠だった。
 確かにそれを意識せずに横に歩いているシエル先輩とか一緒に歌っているアルクもどうにかしたいが(汗。

「あれ……何の歌なんだろうな」
「何でもいい、恥ずかしいからとりあえず他人のフリをしようぜ」
「そうだな……」

 しかし、俺たちのしようとしたことは無残にも打ち砕かれた。

「暗黒翡翠拳部の皆さん、天気が悪いから早く買って帰りましょう」
「そうだね。おーい!」

と、まあ彼女らが俺たちの方を向いてそんなことを言ったのである。
 うう、一般の方々のひそひそ話と視線が痛い……。
 そんなこんなで、裸で外を歩き回るぐらいの恥ずかしさに耐えていたときだった。

――突然、雨が降り出したのである。

「皆、雨です!!」

 翡翠がすごい形相で言う。

「わっ分かってるから! あんまり叫ぶな!!」

 俺たちは急いで目的地であるデパートの中に入った。






「フゥ、良かったな。早めに出てきて……」
「もう少し遅かったらびしょ濡れだったもんな……」

 外はどしゃ降りになっていた。あんまり天気予報見ないから傘持ってきてないし……今度から見ておくようにしよう。

「ん?」

 ふと、白い煙が見えた。その煙はどこからか出てきているようでどんどん周りがくもっていく。

「何だ?」
「スモークか?」

 そう有彦と言いながら煙の出ているところを見ると……







「濡れてしまいましたね……」

 翡翠の、カチューシャからだった。

「「「「!!!」」」」

 あ、アルクとシエル先輩も驚いている。珍しいな結構。……ってそんなこと考えている場合じゃない!!

「ひっ翡翠!!」
「け…煙が出ているぞー!?」

 俺たちは驚愕の表情で翡翠にそのことを伝える。しかし翡翠は、

「ああ、これですか。雨に濡れるとこうなるのです……でも大丈夫です。すぐ消えますから」

 そういって少しした後、カチューシャから出てくる煙はだんだん少なくなっていった。

「ほら、消えてきました」
「いや…そんなことよりもそれ、何で出来ているんだ?」

 ここにいる人全員の疑問だった。





「さて、参りましょうか」

 結局カチューシャの件はうやむやのまま翡翠にエレベーター前に連れてこられる。
 そして地下1階のボタンを押した……あれ? ここに地下なんてあったか?

「なあ、翡翠。ここって地下なんてあったっけ?」
「メンバー制の特殊なエレベーターなのです」

 メンバー制……俺はそれを聞いた時点でなんか嫌な予感がした。






 案の定、地下1階はあやしい場所だった。
 学校の制服やウェイトレスの服、果ては巫女の服まで売っている。というかここは……

「なあ翡翠……ここってコスプレ売り場じゃないか?」
「スポーツ用品店なら5階だぞ!」

 とりあえず何でデパートにコスプレ売り場があるのかはつっこまないことにしておく。
 すると翡翠は、

「何を言っているのですか。ここにコスチュームはあるじゃないですか」
「えっ?」

 翡翠の指先、そこは……







メイド服売り場だった。

「そ…それー!!?(ガビーン)」

 ということは翡翠が着ていた服はユニフォームだったのか!? しかもこんな服を着て練習するなんて……すると隣にいた有彦が、

「……いいね!」
「よくなーい!!(ガビガビーン)」

 おっお前はこんな服を着て練習したいというのか!?

「まあ落ち着けって、よく考えてみな。先輩もアルクェイドさんもメイド服姿になるということだぞ」
「……それでも俺はメイド服姿にはなりたくない」

 きっと遊ばれるに決まっている。

「しかもあのカチューシャをつけることに俺は抵抗がある!」
「うったっ確かに……」

 あのカチューシャ……当然、翡翠のつけている煙の出るカチューシャだ。すると翡翠は、

「すみませんがこのカチューシャは世界に一つしかないようです。似たようなのはたくさんありますが……」
「そっそうなのか……」

 良かったと心の中から思う。メイドさんが皆あんなのつけていたらとても怖いしな。

「こんないい物一人占めしてしまってすみません」
「いいなあ……」

 アルクよ……本当にいいと思ってるのか?

「ところでそれ、どうしたんですか?」

 シエル先輩が尋ねる。俺もさっきからずっと気になっていたことだ。

「これはですね……私にとってかけがえのない物なのです……」
「え…かけがえのない物…?」

 翡翠はコクンとうなずくと、

「あれは夏の暑い日でした……」





〜回想〜
 皆さんも知っての通り、私は山へ修行に行っていたのです。メイドの仕事を全てほったらかして。
 そこで…これを拾いました。




「……という事がありまして」
「「「「えーっ!!?」」」」

 ちょっちょっと待てー!!

「お……終わりか!?」
「他に何かなかったのかー!!?」
「別に何もありませんでしたが……」

 何故そんなことをという感じで翡翠が答える。

「それ…ただ拾っただけじゃないか…!!」
「まあ、いいではないですかそういうのも」

 良くないと思うのだが、少なくとも落とし物は交番に……(宣伝)

「とにかく……それでも俺はメイド服を着るのには反対だからな」
「……仕方ありません。私の変えのメイド服だけ買って帰ることにしましょう。ユニフォームは各人で用意するということで」
「それが一番妥当ですね」

 シエル先輩が支持して、結局ユニフォームは自由という事になった。
……どこからか「え〜志貴くんのメイド服姿見たかったなあ」という、どこかで聞いた様な声を聞いたがきっと気のせいだろう。うん、きっとそうだ。





「いらっしゃいませー」

 結構美人の女の人がレジに立っていた。いいなあ、なんか普通で。
 俺の周りは変な性格の美人しか集まらないからな。どうせつき合うならこういう普通の人とつき合いたいなあ……。



ギンッ!!



 はうっ! さ…さっき、人をも殺せるような視線でにらまれたような。しかも4人ほど。
……4人? 有彦がにらみつけるわけないし……考えるのやめとこう。

「○万円が3点……」

 メイド服って結構高いんだな。俺はそう思いながら翡翠が買い物をする様子を見ていた。
と、そのとき、ピピーと音が鳴り、レジの方に変な表示が出される。そこには、











「ツキヒメ」と出ていた。



「「なっなにー!!?」」

 俺と有彦が驚く。レジの人なんか驚きのあまり声すら出ないようだ。

「あ……また出ましたね。これのせいです」

 そういってカチューシャを持つ。

「大丈夫です。その字は適当に出ますので。この前は「カラノキョウカイ」でしたし……」

 ……それは本当にテキトーなのだろうか?

「あ……誰かこれ持っていてくれませんか? これがあるとレジが打てないので……」
「あ……ああ、分かった。俺が持つよ」
「志貴様すみません、重いので気をつけてください」

 そういって翡翠がカチューシャを手渡す。

「え? ああ安し……ん!!!」



バギン!! 
 その音とともにカチューシャが地面にめり込む。

「あ……あは……あはははは」
「とっ遠野ー!!」

 あっ危なかった……もう少しで俺の手は骨折していたかもしれない……。

「おっおかしいって…やっぱり変だ!! 何かあやしいぞコレーッ!!」
「確かに普通じゃねえな……翡翠さん…これ一体……!!」

 そこで、俺たち全員の時は一瞬止まった。

「どうしたのですか?」

 俺たちの時が止まった理由、それは―――









「「「「髪が黒くなってるー!!!(ガビーン)」」」」

 そう、翡翠のあの赤に近い色の髪が真っ黒になっているのだ。

「ああ、それですか。大丈夫です。それをつければ元の色に戻りますから…」

 なっなんで頭につけると髪が赤くなるんだ……おかしい…絶対おかしい!!








そんな物質が…地球上にある訳ない!!!






 日が暮れて、夕日が街をオレンジ色に染め上げていた。

「まさか……そんなことあるわけないです。コレが宇宙人が落としたものだなんて……そんなのいるわけないじゃないですか」

 翡翠が人を小馬鹿にするような感じで話す。

「で……でもそれはじゃあ何なんだ!?」

 それとは当然翡翠のカチューシャのことである。ここまでおかしいと100%地球のものとは思えない。

「何かは知りませんが地球の山に落ちていたのです。地球の物には違いありません」
「ほ……他に何か落ちてなかったか!?」
「いいえ……あ、でもそう言えば……盗賊みたいな二人組はいましたね……」
「盗賊……?」

 すると翡翠は思い出しながらその盗賊の容貌を言っていく。

「銀色のオシャレな服を全身に身にまとっていまして……背はわりと低くて……目がくりっと大きな一見おとなしい少年のような二人組です」
「「!?」」

 そ……それってまさかグレイっていうタイプの宇宙人じゃ……

「それで何だか疲れたような感じでフラフラとこちらに近づいてまいりましたので…私が『大丈夫ですか?』と尋ねたらこう言ったんです。『つべこべ言わず、持ってるものを置いていけ!!』と」
「……それで、どうしたんだ?」

すると翡翠はなつかしいといった感じで、









「洗脳しました!」











「「ええー!!?(ガビーン)」」

 せっ洗脳って……相手はグレイだぞ!? 一番洗脳に強そうなタイプだぞ?

「さっさとお家に帰るように洗脳したのですぐいなくなりましたよ。その後流星らしきものが逆方向に流れましたが。最近の若者はいけませんね」

 そういって隣のアルクとシエルに同意を求めていた。
……まあ確かに二人とも相当な歳っぽいけど。それよりも……

「なっなんて事だ……」
「うっ宇宙人を洗脳するだなんて……」








すごい! アホだけどすごい…!!






「星が綺麗ですね」と言いながら歩いていく翡翠を見ながら、俺たちはそう思った。




続く



あとがき(というかつぶやき)

あ〜何俺恋愛要素入れようとしてんだろ……。



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